★頭痛は、緊張性頭痛、片頭痛(偏頭痛)、群発性頭痛、などの一次性頭痛、

脳血管障害や脳腫瘍や高血圧など他の病気による二次性頭痛など大まかに分けられます。

特に気を付けなければいけないのは、二次性頭痛であり、以前と違う症状の頭痛や何もきっかけが無く数か月以内に初めて起きた頭痛、また頭痛と共に顔や手足の感覚がおかしくなって来たなどは、危険信号の可能性があるので、一度病院で診てもらいましょう。

 

鍼灸適応は、一次性頭痛です。

筋肉の緊張や交感神経の興奮に伴う血行障害により起こる緊張性頭痛は、鍼灸治療の効果が最も期待出来ます。頭の後ろ側の締め付けられる様な痛みは、緊張性頭痛で多く見られる症状なので、頭と首の間や首の後ろ側の筋肉を緩めれば楽になります。また最近多いのは、パソコン、スマホなどを見るために下を向くことによる、首の後ろ側の筋肉の緊張により起こるもので、同じく頭と首の間や首の後ろ側の筋肉を緩めれば楽になります。

 

片頭痛が起こる原因は解明されていませんが、何らかの刺激に反応して、血管が異常拡張した事により起こるものと考えられており、痛みが心臓の拍動と共に起こることが特徴です。

原因の血管の異常拡張が起こる前は、異常収縮を起こしている事が想像できますので、血管周囲の環境を整え、刺激によって起こる血管の異常収縮にも柔軟に対応できる様な状態にする事が重要だと考えます。

当院の鍼治療は、頭と首の間や首の後ろ側の筋肉を緩め、首の血管や神経周囲の環境を整え、首から繋がる頭部の血管や首から出る神経と関係する脳神経の三叉神経が刺激に対しても柔軟に対応出来るような状態にする事を目的にします。また片頭痛を起こす人の中には、頭の横や顎関節に痛みを訴える人がいるので、頭の横や顎関節に関係する筋肉も緩めます。

 

薬物乱用性頭痛は、生体反応を利用している鍼灸が効きにくいので、薬を減らす事が先決ですが、頭痛の根本には、緊張性頭痛、片頭痛があるので鍼灸を併用して、薬を減らす事が期待できます。

  

★頭痛に関係する筋肉

 

●頭と首の間の筋肉(後頭下筋群)

・小後頭直筋

・大後頭直筋

・上頭斜筋

・下頭斜筋

 

●首の筋肉

・板状筋部

・頭半棘筋

・多裂筋

・頭最長筋

・肩甲挙筋

・斜角筋群

・僧帽筋

・胸鎖乳突筋

 

 

※首から出て頭の後ろに行く神経は、第三後頭神経、大後頭神経、小後頭神経などがあります。

緊張性頭痛においては、首の筋肉を緩め血流を改善させる事が上記の神経の興奮を抑えるのに重要です。

また頭に行く血管も首の筋肉の間を通っており、片頭痛に対しても首の筋肉を緩める事が重要だと考えています。

 

・板状筋、頭半棘筋の下層

・頭の後ろの神経

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                                                     

  

引用 Visible Body